こんにゃくん@史学徒

こんにゃくの妖精です。都内の大学で歴史学の研究をしています。オーストリア=ハンガリー二重帝国史を一生やっていくのではと思います。

2017-01-01から1年間の記事一覧

歴史的事実の積み重ねに意味はあるのか

今回は歴史的事実の積み重ねに意味はあるのか、ということについて書いていきたいと思います。現在の歴史学は、基本的には発掘された事実の積み重ねです。特に日本史では自国史ということもあり、事実の発掘そのものにかなりの重点が置かれているように思わ…

歴史学の研究テーマはどうやって決めればいいか?

では前回述べたような、「マクロな視点」にアプローチできるような研究テーマは、どのようにして決めたらいいのでしょうか?そのようなテーマの決定に不可欠なのは次の二つです。 一つ目に、研究史上への位置づけです。言い換えると研究史上の論争にアプロー…

歴史学における「ミクロな視点」と「マクロな視点」― 坂下(1997)を例として

すみません、更新の間が空いてしまいました。前回に続けて、歴史学における「ミクロな視点」と「マクロな視点」の相互作用について、今回は具体的な学術論文を取り上げながら書いていきたいと思います。 前回でたてた問いに答えるべく、ここで一例を挙げてみ…

歴史学における「ミクロな視点」と「マクロな視点」ー現在の歴史学は「マニアック」過ぎるのかー その2

2、現在の歴史学は「切手収集」か 現在の歴史学は「切手収集」と揶揄されることがあります。すなわちすでに定まった全体像あるいは大枠を動かすことはできず、ひたすら一層細部に迫り、未だ明らかになっていないより細かい事実の発掘を積み重ねていくという…

歴史学における「ミクロな視点」と「マクロな視点」ー現在の歴史学は「マニアック」過ぎるのかー その1

現在の歴史学の研究テーマは「マニアック」過ぎるのでしょうか?『史学雑誌』など主な歴史学の学術雑誌に載っている論文のタイトルを見ても、特定の時代と地域の、さらに細かいテーマが論文のタイトルになっています。下にいくつか実際の歴史学の論文のタイ…

自分の意見を持つとは?

自分の意見を持つこととは、必ずしもオリジナルな結論を持つ必要はなくて、その結論に至るまでの自分独自のプロセス、すなわち自分の「核」に基づく見方を示すことなのかなあと最近思った。結果的に同じ結論でも、その過程が異なれば当然違う意見になる。例…

はじめまして。こんにゃくんです。

どうも、はじめまして、こんにゃくんです。何か気の利いた自己紹介を、、、と思ったのですが、何も思いつきません....。都内の大学で歴史学を専攻している普通の男子大学生です。20世紀初頭のハプスブルク帝国、特にイスラームとの関係を専門にしています。 …